水虫とは何なのか?
水虫というのは、実際には水虫という虫がいるわけではありません。水虫の正体は「白癬菌」(はくせんきん)というカビの一種です。
カビの種類は、発見されているものだけで10万種もありますが、このうち、ひとに病気を起こすカビは約200種です。そのなかの20種類ほどが白癬菌の仲間です。白癬菌を大きく分類すると、人に棲みつくヒト好性菌、土の中で生活している土壌好性菌、ネコやイヌなどの動物の毛に棲みついてる動物好性菌の3種類になります。
水虫の原因の9割以上がヒト好性菌によるものです。その中でも足の水虫から見つかる菌は限られていて、そのほとんどがトリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテスの2種類です。
ヒト好性菌は、人の皮膚表面の角質層に棲みつきます。ということは、水虫のできている皮膚にはカビが巣くっていることになります。白癬菌は人の皮膚や爪・毛に入り込んで寄生し、かゆみや水泡、脱毛など様々な症状を引き起こします。これが白癬という病気で、感染した部位によって、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、足白癬、爪白癬などの病気がつけられます。一般的に「水虫」と呼んでいるのは、足に生じる白癬、つまり足白癬のことです。
ちなみに頭部白癬は「しらくも」、体部白癬は「たむし」、股部白癬は「いんきんたむし」、手白癬は「手の水虫」、爪白癬は「爪の水虫」と呼ばれることが一般的です。
人間の皮膚は代謝しますから、角質層がアカとなって体外に落ちると、一緒にくっついた状態で白癬菌は体から離れます。しかし、いったん体外に出たからといって白癬菌がすぐに死ぬことはなく、アカがひからびるまでは、半年でも1年でも生き続けます。そして、そのアカを踏んだ人の足に再び寄生していきます。
ところが、白癬菌は、ちょっとさわったからうつるというものではありません。ここが細菌やウイルスとは違うところです。
たとえば、風邪やインフルエンザなど、ウイルス性の病気であれば、セキをしている人の近くにいただけで病気をうつされることもあるでしょう。しかし水虫の場合、水虫の人と同じスリッパをはいたからといって、その日のうちに症状が出るということはありません。また、水虫の人と手をつないだり、足の裏をくっつけたりしても、それだけでただちに感染するということもありません。
白癬菌の潜伏期間は、通常、5~10年間もあります。その間、皮膚の内部では良くなったり悪くなったりという変化はあるかもしれませんが、表にはあまり症状が出てきません。ところが、革靴を長時間履き続けるなど高温多湿という白癬菌にとって好ましい環境が整ったとき、菌が増殖し始め、水泡ができるなどの症状が表に出てきます。

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