女性にも多い水虫
不潔な男の代名詞のように言われている水虫ですが、最近は女性の水虫患者が増えてきています。これは、女性が社会に進出するようになったことが理由のひとつです。家事が中心で家の中を素足で暮らしていることが多かった女性も、最近は多くの人が就職して1日中会社で働くようになりました。
当然靴を履く時間が増えることに加え、ファッションを追求した細身の靴の流行などで、足についた白癬菌が活発に活動しやすい環境がそろっているのです。さらに女性の場合、ナイロンのストッキングやブーツなど、通気性の悪いものを身に着けることも多いですね。これらは一見ファッショナブルですが、白癬菌にとって絶好の棲家をつくりやすい素材といえます。
水虫にかかる率に男女の差はほとんどありません。最近の調査では、20~30代の働く女性の3分の1に水虫の経験があるという結果が出ています。特に女性には爪水虫が増えている傾向があります。これは、ミュールやペデュキアなどの流行で、つま先に目が行くようになったことも理由のひとつです。爪の変形・変色が気になるなどで医者にかかり、それが爪水虫と判明する訳です。
「爪も水虫になるの?」と驚かれる人も多いのですが、爪も皮膚の一部であり、水虫菌にとってはとてもおいしいごちそうです。爪の水虫は水虫の中でもとても患者数の多い病気で、しかも重症化しやすく、治りにくいという特徴があります。
では、なぜ爪にまで水虫を発症させる女性が多いのでしょうか。
これはまず、ハイヒールの影響が大きいようです。水虫菌は、目に見えないような細かな傷などから皮膚に入り込みます。ハイヒールをはくと、つま先が靴に強く当たって皮膚に傷がつき、そこから菌が入りやすくなるのです。そして、爪がいったん水虫になると形が変わり、色がにごって、厚みが増していきます。
それがいやで爪をヤスリなどで削りこむ人がいるのですが、そうすると爪の形がますます変わっていきます。爪の角が皮膚にめり込み、立ったり歩いたりするときにズキズキと痛むようにもなります。
ちなみに、爪の角が皮膚にめり込むことを俗に「巻き爪」、専門的には「陥入爪(かんにゅうそう)」といいます。爪の病気の中で、陥入爪は爪の水虫と同じくらい患者数の多い病気です。そのため、女性の患者さんのなかには「巻き爪を治したい」とやってきて、診察したところ、実は爪の水虫だったというケースもめずらしくありません。
なお、爪をいためやすいマニキュアやペディキュアも、水虫を引き起こす一因になります。爪の水虫を発症しているのに、「爪の色がにごっていて恥ずかしい」とマニキュアやペディキュアをぬっていては、さらに悪化する原因になるので、絶対にやめてください。
また、水虫にかっこうの繁殖場所を提供するという意味では、ナイロン製のストッキングもよくありません。最近では機能的にすぐれたストッキングも売られているようですが、それでもやはり通気性はじゅうぶんではないようです。女性は、1日中ハイヒールとストッキングをはき続けることも多いと思います。しかし、足への負担や蒸れを考えた場合、通勤時にはハイヒールとストッキングをはいても、仕事中は素足にサンダルに代えるというように、水虫予防の工夫をしてもらいたいものです。
最近は、テレビや新聞などで水虫についてずいぶんとりあげられるようになりました。テレビCMも出演女性が自分の足が水虫かも?というようなものが放映されたりしています。以前は「水虫=不潔にしていたから」というマイナスのイメージが先行し、「水虫で受診するのは恥ずかしい」と思う女性が多かったのですが、水虫の治療に対してそうした先入観が薄らいできているのは、とてもよい傾向だと思います。

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